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2016年6月21日 (火)

★『無名』(3):沢木耕太郎★

『無名』(3):沢木耕太郎★     H286181
沢木耕太郎:幻冬舎

2003年9月15日 第一刷 発行

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『第3章:差し引けば』

入院2週間。
肺炎、抗生物質、叩ききれない・・・
打つ手が無くなる。
付き添い。
父の俳句・・・父の句集・・・新しい活力と思った。

「漱石忌傘雨三汀澄江堂」

傘雨・・・久保田万太郎

三汀・・・久米正雄

澄江堂・・・芥川龍之介の書斎の名前:我鬼

父の思いを辿る。
父には苛りもなく、唯・・・受け入れる静かな態度

背筋を伸ばし、正座して読書する。

私は漫画から小説を読むようになる。
父に聞けば何でも教えてくれる・・・父。

付き添いで夜の世話を実感する。
時に幻覚が起こる「男の子がいるよね!」

父の意識の混濁を認めざるを得ない。

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『第4章:酒徒』

小脳の出血場所は落ち着いている。

母も高齢、倒れたら父の気持ちはどうなる。

父の俳句を読む。
子供の頃の思い出。
「梅割り1合」を買いに行く。

父は腕の良い溶接工で独立した。
中学生だった私を連れて繁華街によく出掛けた。

句集のタイトルは・・・
付き添いの夜が明けて朝が来た。

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『第5章:竜舌蘭』

対応できる抗生物質がなくなった。自宅に帰す事にした。
院長の判断で在宅治療が出来ることになった。
幼少期の記憶の方がより鮮明。父も私もそうだ。

父も小説を一旦は書こうとしたが断念した。
自分も高校時代に短編を書くようになった。

なぜ父は俳句を始めたのだろう。
父に叱られた記憶がない。
受験・進学・就職についても
干渉しなかった。
私の旅を思った俳句も多い。

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【思い出】

父の思い出と言うとまず軍服姿を思い出す。

まず、最初は昭和16年馬場町に有った陸軍兵舎・・・
ここに入隊する父を見送りに来た。

本当に覚えているのか母に聞いたのが記憶になったのかは定かではない。

家では・・・父と母に囲まれて・・・

縁側の隅に母の鏡台があった。
左右の引き出しに小物が入っている。

父と母が小さなキャラメルをその引き出しに入れて・・・・

《どっちに入っている・・・??》と私をカラカウ・・・。

多分・・・3,4歳の頃だと思う。

次は父が満州から一時帰国した時に幼稚園に現れた時だ・・・

「兵隊さんが来た!」

戦時中は「満州からのはがき」「満州での写真」が
父の記憶になっている。

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