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2017年7月27日 (木)

★全英オープン:舩越園子★

★全英オープン:舩越園子★
【素顔のプロたち】舩越園子          H29727
《夢がおぼれ落ちても》
7月27日:朝日新聞:夕刊
『またまた舩越さんが心情あふれる物語を書いた』
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 全英オープン最終日の終盤、メジャーで惜敗を繰り返してきた39歳の
マット・クーチャー(米)が「今度こそ勝つかも」と思えた瞬間があった。
ともに最終組で回るジョーダン・スピース(米)がティーショットを
大きく右に曲げ、丘の上の深い茂みの中の土の下にボールが埋まった13番。
次打をどこからどう打つかに20分以上を費やした
スピースがボギーとしたとき、クーチャーはついに単独首位へ浮上した。

米ツアー通算7勝ながら、メジャー大会では46試合に出場して優勝はない。
トップに立ったあの瞬間、クーチャー自身もメジャー初制覇の夢を見た。
 が、それもつかの間。大ピンチをダブルボギーではなくボギーで切り抜け、
自信を得たスピースは、14番からの快進撃でクーチャーを引き離し、
23歳にしてメジャー3勝目を達成。

夢も望みも消えたクーチャーの顔は青ざめていったが、
それでも彼は歯を食いしばって笑顔を見せ、大観衆に手を振った。

スコア提出所へ向かって歩き出したクーチャーを驚かせたのは、
前夜に電話で話したときはまだ米国にいた妻と幼い2人の息子の予期せぬ出迎え。
「ビッグサプライズだった」。
父親の敗北の意味を理解した長男は泣き出し、クーチャーは必死に息子をなだめた。

その様子を見ていたスピースは自身が傷心の敗北を喫した
2016年マスターズのホールアウト後に
「同じように父が僕をなだめてくれたことを思い出した」。
最善を尽くして戦い、敗れた直後、
悔し涙をこらえながら今度は父親として最善を尽くす。
まだ父親になっていないスピースは、
そんなクーチャーの生き様を「心に刻む」と言った。

記者会見。クーチャーの声は震えていた。
「何と言ったらいいのか。心が痛む」。
それでも13番で自分を延々待たせた揚げ句に
夢を奪い取ったスピースへの恨み言は一切言わず、
「誰にもピンチはある。それがゴルフだ」と理解を示した。
「全英最終日に5ホールを残して首位に立った。
最終組で72ホール目を終え、家族に出迎えてもらった。
優勝のすぐそばまで行った。そのすべてが素晴らしい」

勝者をたたえ、胸を張るグッドルーザー。
敗者を気遣い、称賛するチャンピオン。
そんな2人の対比は、今年の全英オープンの最大のショーだった。

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